看護師が働きやすい都道府県はどこなのでしょうか?
一説には、都市部が働きやすいと答える人が多い印象です。
ただ、こればかりは主観でしかなく、自分に合った都道府県を探すしかありません。
そこで、このページでは日本全国の看護師の割合が多い都道府県ランキングを厚生労働省の『平成28年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概要』の統計から作成しました。
どこの都道府県で看護師の割合が多いのか、人口10万に対しての看護師の就業者数でのランキングです。
このランキングが低い都道府県というのは、看護師がかなり不足している地域であることを示しています。
看護師が不足しているということは、働きやすさに少なからず影響を与えていると思われます。
一体、どこの地域において看護師が不足しているのか、一緒に見ていきましょう!
※ただし、看護師が不足しているからといって、働きにくいという訳ではなく、不足しているからこそ給料が高く、働きやすいと解釈することもできます。この統計データをどのように捉えるかは、あなた次第だと言えます。
日本全国の看護師の割合が多いランキング
地域名 | 人口 10 万対就業看護師数(人) |
1位 高知県 | 1,409.0 |
2位 鹿児島県 | 1,311.1 |
3位 佐賀県 | 1,277.7 |
4位 長崎県 | 1,264.4 |
5位 熊本県 | 1,244.4 |
6位 宮崎県 | 1,231.0 |
7位 石川県 | 1,228.5 |
8位 大分県 | 1,215.2 |
9位 島根県 | 1,207.5 |
10位 鳥取県 | 1,184.6 |
11位 岡山県 | 1,178.2 |
12位 愛媛県 | 1,174.6 |
13位 徳島県 | 1,163.5 |
14位 山口県 | 1,162.6 |
15位 富山県 | 1,156.6 |
16位 北海道 | 1,151.4 |
17位 香川県 | 1,131.7 |
18位 福岡県 | 1,115.9 |
19位 福井県 | 1,086.6 |
20位 秋田県 | 1,081.4 |
21位 和歌山県 | 1,071.8 |
22位 岩手県 | 1,056.1 |
23位 広島県 | 1,033.4 |
24位 長野県 | 1,028.5 |
25位 沖縄県 | 1,023.8 |
26位 京都府 | 1,023.0 |
27位 山形県 | 1,017.4 |
28位 青森県 | 989.1 |
29位 新潟県 | 959.7 |
30位 滋賀県 | 944.7 |
31位 山梨県 | 934.5 |
32位 兵庫県 | 922.4 |
33位 群馬県 | 914.0 |
34位 奈良県 | 890.3 |
35位 三重県 | 868.5 |
36位 福島県 | 858.0 |
37位 静岡県 | 840.6 |
38位 岐阜県 | 833.8 |
39位 大阪府 | 831.6 |
40位 宮城県 | 821.4 |
41位 栃木県 | 784.7 |
42位 愛知県 | 777.8 |
43位 東京都 | 768.8 |
44位 茨城県 | 687.0 |
45位 神奈川県 | 686.6 |
46位 千葉県 | 673.5 |
47位 埼玉県 | 636.8 |
全国 | 905.5 |
出典:厚生労働省『平成28年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概要』
都道府県別の看護師の割合が多いランキングで第1位に輝いたのは、高知県でした。
人口10万人に対して、1,409.0人の看護師が働いているということで、全国平均の905.5人の約1.55倍の割合でした。
2位は鹿児島県の1,311.1人で、3位は佐賀県の1,277.7人でした。
今度は看護師の割合が少ない都道府県を見ていくと、ワースト47位が埼玉県の636.8人で、これは全国平均の905.5人の約0.7倍の割合でした。
下から2番目の46位が千葉県の673.5人で、下から3番目の45位が神奈川県の686.6人でした。
それでは、このランキングをもう少し考察するため、地方ごとに分けて看護師の割合を見ていくことにしましょう。
九州・沖縄地方
九州・沖縄地方のランキングは以下の通りです。
1 鹿児島(1,311.1)
2 佐賀(1,277.7)
3 長崎(1,264.4)
4 熊本(1,244.4)
5 宮崎(1,231.0)
6 大分(1,215.2)
7 福岡(1,115.9)
8 沖縄(1,023.8)
全国(905.5)
九州地方での看護師の割合は、日本全国の平均人数と比較するとかなり上回っていることがわかります。
看護師の人材不足が叫ばれていますが、九州地方においてはそこまで深刻ではないようです。
※これらの地域においても看護師の有効求人倍率は1~2倍程度ですので、足りているということはありません。
特に福岡、沖縄を除く、鹿児島、佐賀、長崎、熊本、宮崎、大分においては、全国のトップ10に入っています。
転職を考えた時、九州地方(福岡を除く)で勤務先を探すよりも、他の地方に行った方が高待遇で迎えられる可能性が高いです。
子供がいる女性の場合は、単身赴任で他の地方に行くのは難しいと思いますが、独身であったり、既婚者の男性でも単身赴任や配偶者が付いてきてくれるケースでは積極的に都市部で就職先を探してもいいかもしれません。
中国地方
中国地方のランキングは以下の通りです。
1 島根(1,207.5)
2 鳥取(1,207.5)
3 岡山(1,178.2)
4 山口(1,162.6)
5 広島(1,033.4)
全国(905.5)
中国地方においても、全国的に高い割合でした。
最も看護師の割合が低い広島県においても、全国平均の905.5を上回る人数でした。
中国地方においても、転職先は他の地方も視野に入れた方が高待遇である可能性が高いです。
四国地方
四国地方のランキングは以下の通りです。
1 高知(1,409.0)
2 愛媛(1,174.6)
3 徳島(1,163.5)
4 香川(1,131.7)
全国(905.5)
四国地方も高い水準で、看護師の人数がいることがわかります。
特に高知県は、全国で最も看護師の割合が高いという結果となりました。
関西地方
関西地方のランキングは以下の通りです。
1 和歌山(1,071.8)
2 京都(1,023.0)
3 滋賀(944.7)
4 兵庫(922.4)
5 奈良(890.3)
6 三重(868.5)
7 大阪(831.6)
全国(905.5)
関西地方では、明暗が大きく分かれました。
和歌山においては、全国平均を上回っている人数でしたが、最下位の大阪においては全国平均を大幅に下回っています。
これは大阪府内において、看護師不足が深刻であることを示しています。
和歌山と大阪は隣接していますので、和歌山に住んでいる看護師の方は、大阪府内で転職先を探すのがいいかもしれません。
同じ理由で、兵庫、京都、奈良にお住まいの方は、大阪府内の病院も候補に入れてみてはいかがでしょうか?
中部地方
中部地方のランキングは以下の通りです。
1 石川(1,228.5)
2 富山(1,156.6)
3 福井(1,086.6)
4 長野(1,028.5)
5 新潟(959.7)
6 山梨(934.5)
7 静岡(840.6)
8 岐阜(833.8)
9 愛知(777.8)
全国(905.5)
中部地方においても明暗が分かれる結果となりました。
石川においては、全国平均を上回る看護師の割合となりましたが、最下位の愛知では777.8人と全国平均を大幅に下回る結果となりました。
このデータから、愛知では看護師不足が深刻であるということが分かります。
関東地方
関東地方のランキングは以下の通りです。
1 群馬(914.0)
2 栃木(784.7)
3 東京(768.8)
4 茨城(687.0)
5 神奈川(686.6)
6 千葉(673.5)
7 埼玉(636.8)
全国(905.5)
関東地方においては、ほぼすべての都道府県において看護師の割合が全国の平均を下回っています。
群馬だけはほんの少し全国平均を上回っていましたが、それ以外の都道府県では大幅に全国平均を下回っています。
全国的に見ても、最も看護師が不足している地方であることがわかります。
意外なのは、東京よりも茨城、神奈川、千葉、埼玉で看護師不足がより深刻であることです。
これは看護学部の数が影響しているものと思われます。
東京では、看護学部を擁している私立大学が多いですが、それ以外の地域ではそもそも大学数が少なく、したがって看護学部を有する大学も多くありません。
そのため、就職先として東京の病院が選ばれやすいのではないかと思われます。
ただ、それでも東京都内の看護師はかなり不足しています。
東北・北海道地方
東北・北海道地方のランキングは以下の通りです。
1 北海道(1,151.4)
2 秋田(1,081.4)
3 岩手(1,056.1)
4 山形(1,017.4)
5 青森(989.1)
6 福島(858.0)
7 宮城(821.4)
全国(905.5)
東北・北海道地方では、概ね全国平均は上回っていました。
しかしながら、福島、宮城においては看護師の割合が少なく、かなりの労働力不足であると言えます。
まとめ
都道府県別の看護師の割合が多いランキングを見て、どのような感想をもったでしょうか?
東京、大阪、愛知といった都心部やその周辺地域において、特に看護師不足であることがわかったと思います。
これは、都心部において人口が増え続けているのに対して、看護師の数が追いついていないという実情があります。
実は看護職員の就業者の人数は、年々、着実に増加しています。
にもかかわらず看護師の数が不足しているのは、少子高齢化で医療を必要としている人が増加しており、看護師の供給が追い付いていないことを示しています。
ただ、それは裏を返せば、看護師が不足している地域に転職、または就職すれば高待遇で働くことができるチャンスでもあるということです。
もし上記のランキングで全国平均を上回る地域、例えば、高知、鹿児島、佐賀などに住んでいる看護師の方は、東京や大阪などの都市部に転職してみてはどうでしょうか?
あなたにとって働きやすい世界が待っているかもしれません。
当サイトでは、看護師の転職に関しての記事が多くありますので、是非、ゆっくりしていってください!!
»看護師が高収入・高給料を得られる職場とは?徹底的に調べてみた!
「なかなかお給料が上がらない!」「せっかく看護師として働いているんだから、高収入を目指したい」と考えている看護師さんに向けた記事!給料UPの意外な方法も紹介!
»看護師の中途採用の時期はいつがベスト?月ごとの求人傾向も!
転職時期について悩んでいる看護師さん向けの記事!「今すぐ転職したいけど、今転職して大丈夫なの?」と考えている方におすすめ。