教授回診は大名行列なの?総回診=白い巨塔?
「総回診」
この言葉を聞いて、大半の方がまず「白い巨塔」を思い浮かべるのではないでしょうか。
白い巨塔とは、「医学界の腐敗を描いたドラマ」で近年では唐沢寿明が教授を目指す財前五郎を演じて話題になりました。
ドラマでよく見かける教授の総回診は「大名行列」であったり、「権威の象徴」をイメージさせるものが多いです。
大学病院での総回診の目的とは?
そもそも回診の目的は「大学内の序列」をあらわすためでもなければ、「大学病院の権威の象徴」でもありません。
教授を含めた医師陣と研修医、看護師などが入院している患者を巡回して診察することを回診といいますが、その目的は大きく分けて以下の2つです。
回診の目的①:診療状況の把握
まず回診の目的として挙げられるのは、「診療状況の把握」です。
特に大学病院など規模が大きな総合病院の場合は患者の数に比例して医師や看護師、技師などスタッフの数も多く、全てを把握することなど到底できません。
回診をすることで互いの担当している患者を把握することができ、当直時の急変といった際にもスムーズに対応することができます。
また患者の症状によっては内科や消化器科など複数の科にまたがって治療が必要なことがあり、そういった点でも回診は意味があります。
回診の目的②:研修医などの指導のため
回診の目的として2つ目に挙げられるのは、「研修医など若手の医師への指導」です。
知識に加えて経験が圧倒的に不足している研修医は、なるべく多くの症例を診て学ばなければなりません。
回診では教授や部長など経験豊富な医師が患者を目の前にして症例について教育・指導を行います。
総回診が大名行列と言われる理由とは?
小規模な病院やクリニックでももちろん回診はありますが、たいていは医師が1人で病室を回ることになります。
一方で規模が大きい大学病院などは回診の際の人数も多く、大名行列に例えられます。
しかし、総回診が大名行列だと揶揄される理由はそれだけではありません。
総回診が大名行列に例えられる最大の理由は、回診の際の立ち位置にあります。
ドラマでもあるように、総回診の際は師長を先頭に教授・助教授・講師が並び、研修医は最後尾という大学内のヒエラルキーを如実に表しています。
こういった理由から、総回診に大名行列のイメージがついたのではないかと考えられます。
総回診は本当にあるのか?
大学病院などでは、教授の総回診は本当にあります。
しかし、ドラマなどでよく目にするシーンとはいくつか異なる点があります。
例えば実際に教授が総回診を行う際は、横にひろく広がりません。
というのも病院の廊下は他の患者やスタッフも通るほか、ベッドを運ぶことも多いからです。
また骨折してギプスをしている・点滴をしているといった患者も少なくありません。
そのほか、師長や教授などは先頭を歩きません。
というのも、診察の前に「ドアを開ける」「患者に説明をする」といったことを行わなければならないからです。
もしトップが先頭を歩いていたら、部屋のドアも自分で開けなければなりませんし、診察だけでなく患者への説明(総回診を行っているから、ちょっと傷口を見せてほしい・・・)といったことまで全てを自分で行う必要が出てきます。
また総回診の際は「今から総回診に行く」という旨の放送があり(放送がないこともあります)、病室にいないと怒られるようです。
余談ですが、白い巨塔では回診前に「東教授の総回診です」という「かの有名な」アナウンスが流れます。
東教授の退官後、財前先生が教授になったあとは「財前教授の総回診です」に変わりますが。
大学病院の総回診については、こちらも参考にしてください。
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