看護師が覚えにくかった専門用語と覚えるために行った工夫について、実際に看護師さんに聞いてみました。
では、早速みていきましょう。
- 覚えにくかった専門用語について【アンケート調査結果】
- 覚えにくかった専門用語は「筋萎縮性側索硬化症」
- 「af AF AFLなどの不整脈の略語」
- 「ゼック」は死亡後解剖をあらわす専門用語
- 覚えにくかった専門用語は「ジャパンコーマスケール(JCS) 」
- 「アナムネーゼ」がよく分からなかった
- 覚えにくかった専門用語は「テネスムス」
- 覚えにくかった専門用語は「ステルベン」
- バリウムエネマが覚えにくかった!
- 英語を日本語に訳して内視鏡用語を暗記!
- 患者様を実際にケアしたことでCLDとRDSの違いを覚えた!
- GFとCFを混同・・・覚えにくかった専門用語!
- ゴプロツッカーなどカタカナの名前は覚えにくかった!
- 専門用語を覚えるには経験も大切!
- 覚えにくかった専門用語は「インフォームド・コンセント」!
- 「GS」や「CS」など英語の略語は覚えにくい!
- 専門用語はメモを使って歩きながら暗記!
- 専門用語はインターネットを使って覚える!
- ひたすら読む、書く、パソコンで文字を打って覚えた!
- 看護師の専門用語の覚え方についてのまとめ
覚えにくかった専門用語について【アンケート調査結果】
※以下の()は、(ペンネーム/性別/年齢/住所/科目または病棟)です。
覚えにくかった専門用語は「筋萎縮性側索硬化症」
学生の頃から「筋萎縮性側索硬化症」は知っていましたが、リハビリ科や神経内科でこの日本語の病名は長くてなかなかパッと出てこない病名で、いつもALS(Amyotrphyc lateral sclerosis)と言っていました。
この病名を覚えるには「筋萎縮性+側索硬化症」と2つの単語を合わせて覚えました。
(りんご/女性/33/東京都江東区/神経内科)
「af AF AFLなどの不整脈の略語」
看護師として働きだして4年目、循環器1年目のことですが、不整脈の略語で、人によって書き方が異なったりするので、結局は心電図が読めるようになった1年後くらいに直接みたほうが早いということになりました。後輩にもそう伝えてます。
(itumi/男性/40/埼玉県川越市/循環器科)
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「ゼック」は死亡後解剖をあらわす専門用語
看護師3年目のリーダー業務をしていた際、(と言ってもオペ室に2年いたので病棟一年目です)呼吸器をしていた患者様が亡くなられました。
呼吸器をしていたので、ゆっくりと最期の日が来る予測も準備もできていました。
そのため、ドクターがある看護師と休憩室ので雑談中。
「最後はゼックするから」と話していたのです。
その時は雑談の内容を気にもとめていませんでした。
後で考えると、それがドクターからの指示だった!
だけど、そんな専門用語を覚えていない私は、何も考えず、慣れないリーダーをミス無くこなそうとしていました。
普段の業務を変更し、少しざわついた病棟で、亡くなられた患者様と家族様の対応を何とかこなしていました。
そして、無事に葬儀会場からのお迎えが来たので、皆でお別れをして、送り出す瞬間…
主治医が「誰がお迎えを呼んだんだ」と一言!!
家族には聞こえないように、話してくれたので、場を乱すことなく患者様は退院できたのですが、どうも、私が指示を聞いていなかったようです。
もちろん、ドクターには怒られましたが、今のように支持の記入や申し送りが徹底されてなくても
その時代は、ドクターが「俺は言った。」と言うと、全て看護師が責められます。
何より、病院に感謝してくださった、患者様の最後の想いを無視してしまったのかと思うと、すごく辛かったです。
「ゼック」の意味を知っていたら、雑談でも耳に入った瞬間に、重くとらえて申し送りもできたかと思います。
このエピソードのおかげで、それ以来、聞くことがない「ゼック」を私は今も覚えています。
(ringo/女性/44/大阪府東大阪市/大阪府吹田市)
覚えにくかった専門用語は「ジャパンコーマスケール(JCS) 」
新卒で臨床現場で働き始めた1年目に日常的に意識レベルの記載がありました。
ジャパンコーマスケールの単語そのものよりも3-3‐9度方式とも呼ばれる内容及び表現の仕方が難しかったです。
1年目のうちはJCSの分類が書いてある定規のようなものをメモ帳に挟んで持ち歩きつつ、観察をしていました。
Ⅰ-1やⅢ-300など極端な意識レベルは分かるのですが、その間の分類が難しくて、チラッと見つつ仕事をしていました。
1人立ち後に夜勤や急変対応などをこなすうちに自然と分かるようになりましたが、専門用語は勉強していくとともに経験が大切かなと思っています。
(Raspberry/女性/34/群馬県高崎市/臨床:内科・外科・小児混合病棟(診療所、障害者・高齢者施設経験もあり))
「アナムネーゼ」がよく分からなかった
准看護師・看護師になって合わせて7年経ちますが、つい最近まで「アナムネーゼ」の意味をあまり分かってませんでした。
患者さんが入院して「アナムネ」とらなきゃ…ってことでそのままやってましたが、「アナムネ」ってなんだっけ?と思うようになり、教科書等を引っ張り出しました。
アナムネーゼとは、患者さんの既往歴を本人や家族から聞くことです。
そのほかの日常的なことや物品購入についてもひとまとめに「アナムネ」と言ってましたが、既往歴だけを指していることを改めて学びました。
(ジョン・スミス/男性/37/福岡県北九州市/循環器)
覚えにくかった専門用語は「テネスムス」
新人看護師の頃、先輩がカルテ記載したテネスムスの意味が分からず教えていただきました。
その後、下痢症状があった時に腹痛の内容まで把握しても、なかなかテネスムスと言う単語を思い出せなくて苦労しました。
カタカナなので何度も口に出して覚えるようにしました。
今では、腹痛あり、よりテネスムスあり、とカルテ記載した方が患者アセスメントが伝わりやすいので、覚えて良かったと感じています。
(ママナース/女性/45/大阪府箕面市/内科)
覚えにくかった専門用語は「ステルベン」
働き始めた当初から、全く分からず、「昨夜、○○号室の△△さんがステッたわ」と聞いた時は衝撃でした。
患者さんを捨てた…何を捨てたの…?と、さっぱり分からなかったです。
幸いにも新人の頃でしたので、先輩ナースが親切に教えてくれ、自分でもメモを取って覚えることができました。
ですが、「ステル」が頭の中で「捨てる」に変換されてしまい、なかなか本来の意味に結びつかなかったので戸惑いました。
新人時代は、ワンテンポ遅れて、やっと意味がつながる、といった感じでした。衝撃が強かったので、しばらくはこの用語を聞くと、ドキッとしていた記憶があります。
(みゆと/女性/43/石川県金沢市/内科)
バリウムエネマが覚えにくかった!
看護師として働いたのは5年間です。
検査用語が覚えにくいのですが、「バリウムエネマ」というのは注腸造影のことなのですが、看護師の間では「バリウムエネマ」と言います。
新人の時は用語をメモして覚えました。だから今でも覚えています。
(丘里リル/女性/48/愛知県豊田市/内科)
英語を日本語に訳して内視鏡用語を暗記!
私は新卒のとき内視鏡と内分泌の混合科に配属されました。
初めての用語ばかりで、医療用語は長いし漢字ばかりだし、しかも略語が飛び交っている。
本当に言葉を覚えるのには苦労しました。
そのなかでも、ややこしかったのが内視鏡用語と略語です。
漢字がたくさん並び、略語も似通ったものが多くてとても混乱してしまいます。
そこで私が覚えるためにやった方法をご紹介します。
名前と略語を文字のまま覚えようとすると、なかなか覚えられません。
略語は英語をもとに略されているので、もとの英語を確認し訳してみることにしました。
たとえばERCPなら「E」は内視鏡Endoscopicの「E」。そういえば「E」はほとんどの略語についているなと気づくわけです。
つまり全てではありませんが「E」とつけば内視鏡で行う検査・治療ということがわかります。
Rは反響Resonanceの意味ですが、私なりに「Re=巻き戻し=逆行性」と覚えました。
Cは胆管Cholangio、Pは膵臓Pancreasなので、別の用語でも「C」がつけば胆管・胆道系の、「P」がつけば膵臓系の検査・治療ということがわかります。
このように一度略される前の英語を解読してみるとわかりやすいと思います。
ノートに表か初めての言葉のページを作って、でてきた略語や言葉を書き込んでおくと、あとで忘れずに復習ができます。
医療に関する英語がわかると医師の書いた文章も一部分ですが、理解できます。
略語同士、共通する英語も多いので「そういえばこの言葉〇〇のときにも出てきた」と思い出すことも多くなります。
あとはどれだけその言葉を使うかでしょうかね。
日常的に使っている言葉は遅かれ早かれ必ず覚えます。覚えないと仕事をやっていられないのでね。
(きゅう/女性/33/滋賀県/消化器内科)
患者様を実際にケアしたことでCLDとRDSの違いを覚えた!
現在4年目の看護師です。
新卒からNICUに配属され、学生時代には習わなかった疾患やケアばかりで毎日勉強になる事ばかりでした。
その中でRDSとCLDの違いがどうしてもつかず、この言葉が出てくるたびにメモを見ながらカルテを見ていました。
覚えるきっかけとなったのは、実際にRDSの患者を見た時です。早産児は肺が悪くなる事が多いのですが、この患者も肺が悪く慢性的に肺のケアを必要とすることになりました。
RDSからCLDへ移行した患者を実際にケアすることで、疾患の違いを理解することができました。
(よよよ/女性/26/愛知県小牧市/新生児科)
GFとCFを混同・・・覚えにくかった専門用語!
看護師として働き始めて1年目は、GFとCFがわからなくなることがあり、「どっちでしたっけ?」と先輩に尋ねることも度々で、胃カメラは『ガールフレンド』、大腸カメラは『じゃないほう』と頭の中で変換しながら覚えていきました。
(けんけん/女性/24/福岡県福岡市中央区/胃腸科)
ゴプロツッカーなどカタカナの名前は覚えにくかった!
看護師として働き始めて5年目です。
覚えにくかったものはなんといってもカタカナばかりの薬品の数々です。新人の頃は、同じ薬品を指している場合でも略語で言われると分からない事が沢山ありました。
5%ブドウ糖液の事を「ゴプロツッカー」と呼ばれます。
ドクターに「ゴプロツッカー用意して!」なんて言われても分かりません!救急カートにあった5%と書いてある液体を持っていったら正解だった、なんてこと、後輩には言えません。
(るる/男性/29/岐阜県岐阜市/小児科 急性期病棟)
専門用語を覚えるには経験も大切!
新人の時、4月から申し送りで言われていた「ステッたあと、ICUで・・・」と言われても、教科書にも載ってなくて困ってました。
同僚に聞いても同じくわからない反応。恐々先輩に聞いて、「ステルベン」の略だと教えられたのですが、新人なので「ステルベン」の意味や状況さえも全くつかめない、イメージできない本当に残念な新人時代でした。
その後、これが「ステル」ってことか、という事態を何度か経験をし、理解できるようになりました。
(kumo/女性/36/大阪府高槻市/混合内科)
覚えにくかった専門用語は「インフォームド・コンセント」!
看護師一年目の時に緊急を要した患者さんがいました。「家族を呼んで今からICするよ」と先輩が言っていました。
それから一年目は家族を呼んでICするというのは覚えてましたがICの意味がわからないまま過ごしてました。
後日、ICとは、インフォームド・コンセントの略であり病状や結果・予後の見込み等の説明を家族に行って、今後の治療の有無を決定することでした。
わからない事はそのままにしないですぐ調べておけばよかったと後悔しました。
(ゆりり/女性/27/鹿児島県大島郡知名町/総合内科)
「GS」や「CS」など英語の略語は覚えにくい!
内視鏡検査についています。
今は10年以上の中堅ナースですが、新人の頃、内視鏡の略語って分からなくて。でも、英語の略語だから、なるべく言葉を丸ごと覚えるようにしてました。
例えば、胃カメラGSならgastric scope、大腸カメラCSならcolon scopeというように。
だいたいの英語で覚えちゃえば、英略語聞いただけでこんな検査かな?と想像つきます。英語好きな方にはおすすめです。
(めろんぱんな/女性/36/北海道札幌市/消化器内科)
専門用語はメモを使って歩きながら暗記!
看護師免許を取得して7年目ですが、その病院では1年目でした。結婚や出産で看護師として働いたのは4年ぶりくらいの頃でした。
総合病院の外科へ配属されて半年くらい経った頃でやっと仕事を覚えて来た頃でした。たまたまスタッフステーションで雑用をしていた時に、外科の先生と先輩スタッフが話しながら入ってきて、病院で使っている抗がん剤の話でした。
「数が多い」「使ってないのもある」などのグチみたいな感じで話してたのを覚えています。シクロホスファミドプレドニゾロンメトトレキサート看護学校でも習った耳に聞き覚えのある薬品ですが、実際触ったことが無いので覚えていませんでしたが、抗がん剤治療の患者が来るとのことで、先生達は話をしていたようでした。
部屋持ちで困るので覚える必要があったので、とりあえずメモを取りました。そのメモを常に自分の持ち歩くバインダーに挟み、薬品名を他のメモや用紙で隠し、効果や作用などだけを見えるようにして、ブツブツ言いながら仕事しました。
他の患者さんに「お経?」と言われて笑われてました。時々先輩スタッフがテストのようにすれ違いざまに問題みたいに聞いてくるのを答えたりしてました。
(まきろん/女性/32/岡山県岡山市北区/外科)
専門用語はインターネットを使って覚える!
精神科で勤めて4年目になります。
精神科2年目の時に引っ越しに伴い現在の病院に移りました。私は元々横文字が覚えにくく、似たような名前の薬も覚えるのに時間がかかりました。
現在の病院で初めて「この患者さんはDNRです」と申し送られた時は意味が分かりませんでした。
家で調べるとdo not resuscitateの略だと分かりましたが、なかなか頭に定着しませんでした。分からない時は職場のスタッフに意味を聞いたり、自分でインターネットで調べるようにしています。
仕事で何度も使っていると自然と覚えますが、時々インターネットを使って意味を覚え直すようにしています。
(よこやんのみかん/女性/29/和歌山県岩出市/精神科)
ひたすら読む、書く、パソコンで文字を打って覚えた!
現在の病院では6年目。薬品名などは何度も読んだり、書いたりして覚えるしかなかったです。
ラキソベロンがシンラックそしてピコスルファートナトリウムと名前が変わったり(こちらも覚えにくいですが、患者さんが「違う薬だ!」と拒否して飲みたがらなくなってしまったり…)。
ソラナックスとかカームダンとか言われていた薬はアルプラゾラムに変わったり…です。薬品名。特にジェネリック。病棟内だけの略語。
パソコンで何度か打つと自然と頭に入るというか、覚えやすいように思います。パソコンでの薬品名の入力は、予測変換で全く違う名前になってしまうことがあるのが注意点でしょうか。
(akd/女性/55/静岡県駿東郡/精神科)
看護師の専門用語の覚え方についてのまとめ
薬品名や器具の名前など覚えることが多い看護師の仕事。
「英語で覚える」「ノートを使って復習する」など、それぞれ工夫して専門用語を覚えているようです。
また「使っているうちに覚える」という意見もあり、いくら覚えにくい専門用語であっても、日々使っている間に知らないうちに覚えていたということもあります。
「ステルベン」や「インフォームドコンセント」は医療関係者以外には馴染みがないですが、頻繁に耳にするため覚えやすい専門用語の一つと言えます。
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「看護師が楽な科」について、「楽だと感じる科」と「楽だと感じる理由」を聞いてみました。看護師によって楽だと感じる科は異なりますが、やはり・・・
「看護師がきつい科」について、「きついと感じる科」と「きついと感じる理由」を聞いてみました。「楽だと感じる科」と異なり、意外にも・・・
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